白銀町の家


中心市街地の一角で木造母屋と共に建つ築40年の古くなって使い勝手が悪くなった
コンクリートの家を建て替えたいと始まった本計画。しかし、限られた敷地の中で
要望された多様な諸室をレイアウトしてみるとラッシュ時の電車内のように輻湊感
いっぱいのプランとなり、しかも外観も混乱したデザインとなってしまいました。
そこでプランの真ん中に、階段室をコアとして各諸室をレイアウトするプランにま
とめたところ問題点がうまく収斂し、外観も平面の複雑さを感じさせない一体感の
あるシンプルなデザインができたように思います。
建物の外観デザインは内部の機能がそのまま外に表現されることでよい、とする考
え方もありますが、建物が存在する環境のなかでどのような形を持つべきだろうと
考えたとき、少なくともその環境を混乱させるようなデザインではないことが重要
だと考えています。建物同士がともに協調した連続感のある景観を作っていきたい
と思います。

(完成は2007年12月)