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東中野町の家
古くなった家を建て替えたい、車三台のガレージを、敷地の一部を貸駐車
スペースに、というのが建て主さんからいただいた基本的設計要件。場所
は富山市の中心市街地のいわゆる街なか住宅。道路に面して貸駐車スペー
スをとり分け要望の諸室をレイアウトしてみると敷地目一杯になるくらい
窮屈なプランとなってしまうので、風や光が気持ちよく入ってきて空間的
なヌケと落ち着きのあるコーナーをどうつくるかが今回の設計上のポイン
トとなりました。
露地的なアプローチや坪庭、ガラススクリーンで仕切られた大きなヌケと
しての中庭、デッキのあるリビングのテラスや吹抜などのプランのそここ
そに光と風の入る仕掛けを配置して空間的開放感が感じられるようにして
、そのことで気持ちの良いコーナーをいくつもできるようにと試行しま
した。
(2006年11月中旬完成)
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東町の家

古くなって現代の使用形態に合わなくなった家を解体し、家を新築する
ことになりました。
この家には大切に手入れしてきた庭があり、その愛すべき庭をどう取り
込むかが今回の家づくりのテーマとなりました。一方この場所は国道41
号線と産業道路(しののめ通り)が交差する角地にあり、車の交通量は
かなり多くて騒音や人の視線も気になります。また、敷地を有効利用す
る意図で敷地の一部を貸駐車スペースにすることとなり、交差点からは
丸見え状態となってしまうので他人からの視線を防御する何らかの手を
打たねばなりません。最初はその音や視線を切るためにコンクリートの
壁を立ち上げる案も考えましたが、敷地に奥行きがないため暗くなって
しまいます。そこでコンクリートの壁の代わりにガラススクリーンを立
てることにしました。巾10mの和紙調の合わせガラスのスクリーンです。
これだとプライバシーを守るだけではなくて光も差し込みちょうど良い
具合です。愛すべき庭は外部からはまったく見えないので訪れる人にと
ってはガラススクリーンのアプローチを通って玄関に入り、そこで庭の
一部がちょっと見え、招き入れられたリビングで大きな開口から庭をみ
るというようなシークエンスとなっています。もっとも、大事なのは住
んでいる本人が庭とともにある喜びを空間的に感じてもらうことですね。
私たちはそのためにどんな提案ができるかが問われているんだと思います。
(2006年10月中旬完成)
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南田町の家

どうしても富山市の中心市街地に住みたい、という中心市街地生まれ
の夫婦と子どもの三人家族の家。土地探しからお手伝いをして4ヶ月。
割と早く土地が決まり、早速プランづくり。当初のご希望は車二台の
車庫と広くて天井の高いオープンキッチンのあるリビング(薪ストー
ブも)、それからプライバシーが守られていることでした。プライバ
シーを守りすぎると開放感が損なわれますし、その逆だとプライバシ
ーが守れないというジレンマをどう解決するかというのが腕の見せど
ころとなりますね。
言うは易でこれがなかなか難しい、住宅設計の永遠のテーマのひとつ
です。
購入された敷地でご希望の諸室のレイアウトを行うと二階建てでは
無理だと解り、今回は木造の三階建てで実施しています。日照の入射
角度や隣地建物との関係などを慎重に検討してプランと開口部分を定
め、車庫の屋上にリビングの延長としてのテラスを設けるなど垂直系
のジグソーパズルを解くような計画となりました。
(2006年10月中旬完成)