平屋で過ごす毎日の生活が望みです。
今回の家づくりはそんな建主さんの要望からプランづくりが始まりました。
設計をしていると平屋建てにしたい、という要望はけっこうあります。やはり階段を上らなくていい生活空間の便利さやまとまり感、将来の老いの生活への対処などがその理由になっているのだろうと思います。ただ老後の生活ならそんな大きな空間は必要ないかもしれませんが子どものいる若い夫婦の場合はそれなりの面積が必要となってきます。
さいわい今回は平屋建てが十分叶いそうな広さの敷地でした。
敷地は街なかの住宅地にあって北西に二面道路があり東西に長く南北に狭いという長方形の角地。この敷地にこの家の中心になるたたみ間が付いているLDKと寝室をどう配置するのか、どのように空間のメリハリをつけるのかが設計のポイントとなりました。
ただ単に部屋がつながっているプランではなく大きな吹抜があり開放的なLDKと低く抑えられた天井高のたたみ間という抑揚のある空間構成。仕切られつつ繋がる動線計画やそれぞれの部屋が部屋らしくなるアイデア。深い軒の出と大きな開口部がつくる南庭とのつながりや北立面の浮遊した壁面と角地の彫り込まれた外壁面など、いくつもの仕込みをして平屋建てが持っている水平線の効いた伸びやかなイメージを実現したいと思いました。
切り妻の大きな屋根と白い外壁がつくり出す平屋建ての外観と伸びやかでおだやかな内部空間がつくり出すこの住宅、完成が待ち遠しいです。
DATA
竣工:2017.12(完成予定)
構造:木造2階建て
施工:米井建設株式会社