敷地は富山市の中心部に位置しており、だいぶ古くなった歯科医院を建て替えると
いうプロジェクト。この中心市街地の他の例にもれず既存歯科医院も駐車スペース
を持たず訪れる患者さんは隣接する有料駐車場を利用するという状態だった。たま
たま隣接地が売りに出て、これを購入。そこから新しい歯科医院の建設計画がスタ
ートした。
同じくらいの広さの隣接地を購入して敷地面積は倍になった。
この敷地にできる限りの駐車スペースと診療台数を現在の3台から6台に増やしよ
り快適な診療空間の実現したい。合わせて住居も作りたい。しかも現在の歯科医院
は営業を続けたまま(つまり残したまま)新医院を建てるというご希望。
のどかな郊外に制約なく建てる建築に対して今回の建築設計は、
1)既存の医院を残したまま新医院を建設するという土地的制約
2)駐車台数を少しでも多くするための駐車面積の確保
3)限られた土地で精緻な平面計画を求められる歯科医院のミリ単位でのプランニ
ング
4)併設される住宅は上記の制約に取り込まれず独自の快適性を持つこと
など限られた敷地環境の中での最適解を求めて試行錯誤を繰り返した。
これらの設計要素を内包する木造2階建ての木構造は複雑を極め、設備工事、電気
工事も難題を乗り越え施工品質も高く完成することができました。
この建物のサインは宮田裕美詠さんにデザインしていただいた。
金川歯科医院のコンセプトがこのデザインに昇華できたことを宮田さんに感謝。