当社が15年前に設計した外壁タイル張りの「布瀬町の家がとても
好きで あの家のような佇まいの家を設計してほしい」と設計依頼
をいただいたのが 3 年前。それから土地探しが始まり、富山市経
堂の大通りから少し入った角地 で立山連峰も見える落ち着いた良
い土地が見つかったのが 1 年前のこと。 この場所で理想の家づく
りの対話が始まり、そして 1 年後に完成を迎えました。

今回の建物、歯科医院と住宅を一緒にした建物を設計してほしい
という注文でした。一般的に歯科医院と住宅は使われ方がかなり
違いますので平面プラン を上下階で何とかまとめたとしてもそれ
ぞれの特徴が外観に現れて(特に窓が) 統一感のない外観デザイン
になることが多いのですが、そうならないように つまり、住宅、
医院のどちらにも偏らない全体として統一感のある雰囲気を持 っ
た外観デザインにすることが今回求められ、設計の大きなテーマ
になりました。
外観デザインは医院と住宅というそれぞれの要素は違うけれども
今回、タイル 張りの外壁をデザインモチーフとして建物全体を統
一感のある瀟洒な佇まいの 建築を実現するというプロジェクトで
した。それを実現する手法として採用したアイデアがアプローチ
まわりの緑地帯と コンクリート打放しの塀を持つアプローチです。
この緑地帯と塀を設けることで道路からこの建物を見るときにゆ
ったりとした奥行感と木々が持つ優しさを感じることができます。
植えられた木々が数年先にもう少し育てばもっと豊か な環境にな
ることでしょう。その時が待ち遠しいです。