玄関が道路から見えない、京都の路地のような奥まった所に
玄関のある住宅が完成しました。しかもそこは小さな中庭に
あるのです。
この家は中心市街地に建つ若い夫婦と子どもたちの家。
敷地は南北に細長く(しかも台形状の変形地)前後が道路に
接しており、東西は隣家が近接しており開放性があるのは道
路に接する幅の狭い南北面と言う典型的な中心市街地の宅地
です。
ご要望の部屋を落とし込んでプランをレイアウトしてみると
コレがなかなか難しい。台形のしかもその間口が狭いことが
素直なプランを許さないという、言ってみればチャレンジし
がいのある敷地だということがわかりました。
この間口の狭さを克服するには何らかのアイデアが必要でし
た。
いろいろと試行してたどり着いたアイデアが中庭をつくり奥
まった暗いLDKを明るい空間にするというもの。そして、その
中庭に面して玄関を配置するというアイデアも加えました。
本来なら玄関位置は公共性の高いところに作るというのが住
宅プランの基本なのですが、この家はプライバシー度の高い
奥まった中庭を通った先に玄関があります。つまり中庭に玄
関を同居させるという案でした。今回の住宅の玄関は誰でも
いつでも入ってこられるような玄関空間ではなくマンション
にあるようなセキュリティ度を高めた玄関空間をつくること
により中庭としてのプライバシー度を高め、入ることが許さ
れた来客にとっては緑さわやかな中庭の先にある玄関に到着
するというアイデアです。
このプランをもっと使いやすくするために、土間空間やポー
チ空間を玄関の両サイドに設け、多用途に使えるようにして
日常生活がスムーズになるような動線も作りました。
敷地の制約が生み出したこのアイデア。これによって隣家か
らプライバシーを守り室内への採光も確保することができま
した。中庭玄関(エントランスコート)はこの家の大きな特
徴となったのです。