平屋で過ごす毎日の生活が望みです、というご要望からプランづくり
が始まったHouse Oが完成しました。

設計をしていると平屋建てにしたいという要望はけっこうあります。
階段を上らなくていい生活空間の便利さや諸室のまとまり感、将来の
老いの生活への対処などがその理由になっているのでしょう。ただ老
後の生活なら広い空間は必要ないかもしれませんが、子どものいる若
い夫婦の場合はそれなりの住宅面積が必要です。そうなると平屋建て
が叶うには敷地面積の広さがまず鍵となります。幸い今回は敷地面積
も十分で平屋建てが叶いそうな広さでした。

敷地は大通りから一本中に入った街なかの住宅地。北西に道路があり
東西に長く南北に狭い角地でした。この敷地に家の中心になるLDKと
寝室をどう配置するのか、どのようにLDKと他室の空間のメリハリを
つけるのか、が設計のポイントとなりました。ただ単に部屋がつなが
っているプランではなく大きな吹抜のあるLDKと低く抑えられた天井
のたたみ間という空間の抑揚。仕切られつつ繋がる部屋と部屋の行き
来。深い軒の出と大きな開口部がつくる南庭とのつながりなどいくつ
もの仕込みをして平屋建てが持っている伸びやかさを実現しました。

切り妻の大きな屋根と白い外壁がつくり出す平屋建ての外観。伸びや
かでおだやかな内部空間が連続する住宅ができあがりました。