外観

敷地45坪の三方が隣地に近接して囲まれた町家の建て替えです。
建ぺい率も60%と厳しく、ガレージも入れると三階建てにならざるを得ません。しかも準防火地域です。更に近接した隣地の建物に囲まれているので採光もプライバシーにも厳しい環境です。つまり内省的に為らざるを得ないプログラムということです。
このような敷地環境の中で建主さんの考えは明解でした。1階から3階を貫く主動線を回り階段でつくり、2階をオープンなファミリー空間として1階からも3階からも2階に集まり易い空間に仕上げるというもの。この家の中心となり家族が「ここに居たい」と思えるファミリー空間をどうデザインするのか、それが今回のテーマでした。採光を確保するため敷地の後ろ側に空地を設けて道路面との二面から採光を考えましたがそれだけでは不足です。それで今回は南面に大きな吹抜を設けそこからも採光を取ることにしました。この吹抜により空間に開放感が感じられ十分な採光のある気持ちの良い場所になりました。
内省的だが閉鎖的ではない、という開放感と家の中心性を持ったファミリー空間のある町屋が誕生しました。

DATA
竣工:2014.12
構造:鉄骨造3階建て
   準耐火建築物
施工:藤井工業(株)

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